睡眠
睡眠が必要な理由
睡眠は自然界の最高の万能薬であり、私たちの総合的な健康に重要な役割を果たしています。
普段の気分が良くなり、健康になることに加えて、睡眠はアスリートやエクササイズを行う者にとって反応時間を高めたり、負傷率を下げたり、ミスを減らすために特に重要です。
パフォーマンスの向上や健康の維持のためには、究極のフィットネスのパズルを成す重要なピースをひとつでも欠くことはできません。
明確で現実的、測定可能なフィットネス目標
継続的なトレーニング
トレーニングの種類
トレーニングスケジュールの最適計画/構成
適切な栄養摂取
しかし、こうしたすべての項目の有効性はある重要なピースによって影響を受けます。夜の良質な睡眠です。
十分に休めば、筋肉や心臓が次のトレーニングをする準備ができた状態で目覚め、ホルモンは安定した状態にあります。自分よりも体が大きく、強くて鍛え上げられている人を見かけてもストレスに感じなくなるでしょう... あなたは自分自身の真のポテンシャルを目標にワークアウトに集中できます(笑顔すら浮かべているかもしれません)。
睡眠の効果
筋肉の回復
体の化学的および生理的な再生過程の多くは睡眠中に行われます -- そして、これらのプロセスの多くはトレーニング中に痛めつけられた筋肉の内部で起こっているのです。
運動をすることで筋肉から多くの栄養が枯渇し、筋組織を破壊し(微小外傷)、傷つきやすい状態にします。トレーニング後、特に活動的にしていなくても、歩いたり座ったり立ったりするだけで筋肉を使っているのです。こうした動作は大したことがないように思えますが、あなたの筋肉はそう感じていないでしょう。
睡眠中が筋肉を完全に回復させる時間です。筋力を増強したり、ランニングのタイムを速くしたい、もしくは体の見た目を良くしたいなら、ワークを繰り返し数える時間よりも羊を数える時間を増やしましょう。
健康な心臓
よく眠ると、心臓の鼓動が少なくなり、血圧も低下します。つまり、心臓や動脈の負担や損傷を少なく抑えられます。
十分な睡眠がとれなかったり睡眠の質が悪いと、通常時よりも心拍数が高くなり、日中の血圧が高くなる可能性があります。
ホルモンの分泌
体の中のホルモンを分泌する工場である内分泌系は、必要なホルモンを必要なときに必要な量だけ循環系に分泌します。ホルモンの活動は質の高い睡眠中にピークとなり、効率的な順序で働くことができます。そして体のすべての部位にホルモンを届け、次の日の活動に備えさせるのです。
質の高い睡眠はまた、成長ホルモンの分泌を促進します。成長ホルモンは筋肉の成長を主に担い、体の完全な回復を助け、高いパフォーマンスを得るのに不可欠です。睡眠はストレスホルモンとして知られているコルチゾールの平常レベルの低減や維持にも役立ちます。
簡単にまとめると、ホルモンは体のすべての機能を調節したり、大きな影響を与えたりします。そして睡眠はホルモンが正常に働くようにし、すべてがあるべき形で機能するのを助けます。
不十分な睡眠の負の影響
実際に睡眠がいかに重要かを理解するため、睡眠不足がパフォーマンス領域を低下させる例を詳しく見てみましょう。
エネルギーレベル
深い睡眠が不足するとグリコーゲン貯蔵量が減少してタンクに燃料がなくなり、アスリートは蓄えを消費しながら走ることになります。これにより、テストステロンの減少、ヒト成長ホルモンの減少、エネルギー消費量の増加、条件反射の低下、炎症の増加などの数多くの負の影響が生まれます。
反応時間と精度
何百もの研究により、睡眠の時間と質の低下が反応時間の遅れにつながることが判明しています。トレーニングで自転車に乗っている時にリスや自動車があなたの目の前に飛び出してきたとき、反応が遅くなってしまうのは避けたいですよね。手・目の連携が弱まることも睡眠不足と直接的なつながりがあります。
意思決定
研究では、睡眠が不足している人は自身の決断に付随してリスクがあることは認識しているものの、それが何であるかについては関心を示さず、不必要にリスクをとる可能性があることが示されています。
メモリー
睡眠のすべての段階で、精神と脳が新たな記憶の処理作業を行っており、整理して長期記憶に保管し、最近獲得した情報と過去の経験とを統合しています。言い換えると、脳の活動を活発にするためには睡眠が必要なのです。
回復
睡眠不足、睡眠障害、概日リズム睡眠障害はすべて、睡眠が本来もたらす回復力に全体的な悪影響を及ぼします。運動やストレスからの回復を妨害したり遅くしたりする可能性があります。
気分
ほとんどの人はひと晩の睡眠不足からは早めに回復できますが、ふた晩以上続くと気分に強い影響が現れてきます。気分への影響は単発的なものであっても、睡眠不足が当たり前になってくると、慢性的なものへと変わる可能性があります。
安定したメンタルは身体のコンディションに大きく影響します。考え方や気分がマイナスの状態が長く続くと、活動的でなくなり、トレーニングをしなくなり、健康的な食生活がファストフードにとってかわり、プロジェクトや生産性が泥沼にはまってしまいます。また、ルーティーンや健康的な習慣がないと、さらに睡眠の質を害する可能性があり、悪循環に陥る恐れがあります。
体の他の部分と同じように、脳にも睡眠が必要です。休憩し、日常のストレスから回復して、息抜きにやりたいことを自由にできていると感じる必要があるのです。