鶏胸肉

鶏胸肉は低脂質高タンパク質でヘルシーなだけではなく、他にもさまざまな健康や美容にうれしい栄養が含まれています。ここでは、鶏胸肉の栄養と期待できる効果を説明します。

たんぱく質が豊富

鶏胸肉の栄養素の中でも特筆するべきものが豊富なたんぱく質です。

たんぱく質三大栄養素のひとつで、筋肉や髪の毛、肌、内臓など身体のあらゆる部分の材料となる栄養です。

その他にも、身体をスムーズに動かしたり消化を助ける酵素の材料となったり、免疫力アップに欠かせない免疫細胞の材料となるなど、健康的な生活にたんぱく質は欠かせません。

身体を鍛えていたりよく運動をする人はもちろん、健康や美容のためにも不足しないよう気を付けたい栄養素です。

鶏胸肉は低カロリーでありながら、このたんぱく質が豊富に含まれています。皮を取った鶏胸肉100gに含まれるたんぱく質は22.8gほど。これはたんぱく質が豊富な食材で知られるささみとほぼ同じ含有量です。

たんぱく質を摂ろうとして肉類を増やしてしまうと、どうしても脂質やカロリーが増えてしまいがちです。鶏胸肉を取り入れれば、脂質やカロリーを抑えながらたんぱく質を増やせるのでおすすめです。

質のいいたんぱく質が含まれている

しかも、鶏胸肉のたんぱく質は質が良いというメリットがあります。

たんぱく質はさまざまな種類のアミノ酸が組み合わさってできていますが、豆腐など植物性のたんぱく質には身体に必要なアミノ酸のバランスが悪いことが多く、別の食材で補う必要があります。

その点、動物性の鶏胸肉のたんぱく質には身体に必要なアミノ酸がバランスよく含まれているので、鶏胸肉だけでたんぱく質がしっかり摂れるんです。

さらに鶏胸肉のたんぱく質には、幸せホルモンの材料となるトリプトファンや、良質な睡眠に欠かせないグリシンといったアミノ酸が豊富に含まれています。鶏胸肉のたんぱく質は身体だけでなく、精神の健康にも非常に役立つ栄養なんです!

特に運動をしていない人のたんぱく質の1日あたりの必要摂取量は体重x1〜1.5gと言われています。運動をしている人や身体を鍛えている人はさらに多くのたんぱく質が必要となるので、意識して摂るようにしたいですね。

イミダゾールジペプチド

鶏肉の中でも鶏胸肉特有の栄養素が「イミダゾールペプチド」です。

イミダゾールペプチドは鶏胸肉のたんぱく質に含まれている成分で、アミノ酸の「カルノシン」や「アンセリン」が結合してできた成分です。

このイミダゾールペプチドには優れた疲労回復効果と抗酸化作用があるということがわかっています。渡り鳥が数千〜万kmもの長距離を飛び続けることができるのも、イミダゾールペプチドが疲労を軽減してくれているからと考えられています。

しかもイミダゾールペプチドは身体の疲労だけでなく、精神的な疲労認知症の予防にも効果があると言われています。

抗酸化作用は身体の老化やさまざまな不調の原因となる炎症を抑えてくれるため、アンチエイジングや美肌など健康、美容のためにも積極的に摂り入れたい栄養素です。

バランスがとれた脂肪酸

カットした茹で鶏胸肉
鶏胸肉は低脂質な食材ですが、脂質のバランスも取れています。

脂質もたんぱく質アミノ酸のように、さまざまな種類の脂肪酸が組み合わさってできています。

この脂肪酸は大きく分けてエネルギー源になる飽和脂肪酸と、コレステロールを減少させる不飽和脂肪酸に分かれていますが、鶏胸肉の脂質はこの2種類の脂肪酸がバランスよく含まれています。

牛肉や豚肉は飽和脂肪酸が多く、そればかりを食べると偏ってしまいます。鶏胸肉の不飽和脂肪酸は牛肉や豚肉に比べても多く含まれていてバランスを取りやすいため、脂肪の質という点でも鶏胸肉はおすすめです。

ビタミンB6

タンパク質や脂質といった三大栄養素以外でも鶏胸肉の栄養は優秀です。

鶏胸肉に含まれるビタミン・ミネラル類の中でも特に優秀なのが、ビタミンB6です。

ビタミンB6は「補酵素」と呼ばれ、身体の酵素を助けて代謝を促進する役割を持っています。
代謝とは身体の中のさまざまな化学反応のことで、身体の中に摂り入れた栄養をエネルギーや細胞に作り変える働きもそのひとつです。

ビタミンB6は特にアミノ酸代謝を助けて皮膚を丈夫にしたり、免疫細胞や神経を強化する、血液の中の赤血球を作るなど、健康な身体を維持するのになくてはならないビタミンなのです。

さらに、ビタミンB6は脂質や炭水化物の代謝もサポートしています。

これらの代謝がうまくいかないと肝臓や内臓に脂肪が溜まってしまうため、適切なエネルギーや細胞膜への変換をサポートしてくれるビタミンB6はダイエットにも効果的と言われています。

ビタミンB6が不足してしまうと肌荒れや吹き出物、口内炎などの肌トラブルはもちろん、貧血や胃腸の不調、手足のしびれなどにもつながってしまいます。もし、これらの不調を感じている人はビタミンB6を積極的に摂取されることをおすすめします。

ビタミンB6は水溶性ビタミンなので、一度に摂りすぎても尿と一緒に体外に出てしまいます。そのためビタミンB6をしっかりと働かせるためには、まとめてではなく毎日少しずつ摂ることが重要です。